日本の輸出規制には、リスト規制とキャッチオール規制という2つの規制体系があり、さらにそれぞれが貨物と技術を別々に規制しています。
輸出者の皆様は、何かを輸出(技術の提供も含みます)しようとする場合、まずはリスト(輸出貿易管理令や外国為替令)にその輸出する貨物が載っているかどうかを調べます。
リストに該当し、かつ、省令で規定されている仕様やスペックを持っている貨物(技術)であれば、それは該当貨物(該当技術)となり、経済産業大臣の許可がなければ輸出できません【リスト規制】。
このような一連の作業を該非判定もしくは該非確認といいます。
もしも、リストに非該当であると判定できた場合は、次にキャッチオール規制に該当しないかどうかを判定していきます。
キャッチオール規制とは、「リスト規制」の対象となっている貨物や技術以外でも、需要者や用途から、大量破壊兵器の開発等に使われる恐れの有無を見定めるために規制するものです。
下記の表にも記載の通り、木材や食料品を除くほぼ全てのものが規制の対象となっており、指定された26カ国(通称ホワイト国:米、カナダ、EU諸国等)を除いた地域への貨物の輸出や技術の提供が対象となっております。この輸出対象地域については次の点に注意が必要です。例えば、ある貨物をA国を経由してB国に輸出しようとする場合、仕向地はA国ではなくB国になります。ですので、たとえA国がホワイト国であったとしても、B国がその他の地域である場合はキャッチオール規制の対象になります。
アイルランド、アメリカ合衆国、アルゼンチン、イタリア、英国、オーストラリア、オーストリア、オランダ、カナダ、ギリシャ、スイス、スウェーデン、スペイン、大韓民国、チェコ、デンマーク、ドイツ、ニュージーランド、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、フランス、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、ルクセンブルク
貨物 | 技術 (有形・無形全ての技術情報、プログラムを含む) |
特徴 | |
---|---|---|---|
リスト規制 (輸出者は該非判定を行うことで対応します) |
輸出令の別表第1 1~15の項に規制対象となる品目が掲げられています |
外為令の別表 1~15の項に規制対象となる技術が掲げられています |
貨物/技術共に、リストに該当する場合は経済産業省に輸出許可申請をしなければなりません。 ※すべての仕向地が規制対象地域となります |
キャッチオール規制 (輸出者は取引審査等を行うことで対応します) |
輸出令の別表第1 16の項に規制対象となる品目が掲げられています |
外為令別表 16の項に規制対象となる技術が掲げられています |
食料品や木材などの一部を除くすべての貨物やそれらの設計・製造・使用技術が対象(ただし1~15の項に該当するものは除かれます) ※ホワイト国(キャッチオール規制の規制対象外となる米国や韓国、EU諸国等の26カ国)以外が規制対象地域となります。 ※客観要件及びインフォーム要件(経済産業省から輸出許可あるいは役務許可等の申請をすべきことを通知する場合)に該当するか否かは、需要者や用途が判断基準になります。 |
では、該非判定の実際の手順について見ていきましょう。該非判定の流れは、おおよそ以下の通りです。