ここでは、委託加工貿易の輸出承認についてご案内していきます。
委託加工貿易契約承認手続きの流れ
※1 承認を要する委託加工貿易契約とは、以下のようなものをいいます。
・ 海外に、皮革製品の加工業務を委託していること
・ 日本から原材料(皮革、毛皮、皮革製品の半製品、皮革製品)を輸出すること
・ 輸出する原材料は、天然皮革であること
・ 加工された皮革製品は、日本に輸入されること
※2 委託加工契約の成立
輸出する原材料の数量・金額、輸入する数量・金額、加工賃等の取引内容が確定し、委託者、受託者双方の意志が確認された時点で契約が成立したと見なします。
※3皮革製品とは
・ 加工を委託している皮革製品が、天然皮革(革、毛皮、皮革製品)を用いているものであること
・ 天然皮革が、ごく一部のみ使用されている場合であっても、製品の主体を構成するものは、皮革製品となります。(例;野球ボール等)
・ 実行関税率表の第8部「皮革及び毛皮並びにこれらの製品等」とは、一致しません。第8部以外の製品であっても、皮革が用いられていれば、規制の対象となります。(例;革張りのソファー等)
・ 甲など、半製品の製造であっても、規制の対象となります。
※4 輸出価格が100万円以下の場合は申請不要ですが、以下の点にご注意ください。
・ 輸出価格は、「委託加工貿易契約」に基づき、皮革製品に用いる原材料の総額です。(皮革だけでなく、部材の価格も含みます。)
・ 同一の契約のなかに、皮革製品でない製品が含まれている場合は、その分は、輸出数量及び輸出の総価額から除いてください。
・ 輸出価格について、その輸出が有償であるか無償であるかは問いません。
※5 承認のない輸出について
・ 無承認のまま輸出した事実が発覚した場合は、輸出貿易管理令第7条等に基づき、法令の規定に従っているか否かを審査します。
・ 審査の結果によっては、行政制裁等もあり得ます。
適用品目
適用品目は、下表のとおりです。
適用品目 | 委託する加工の内容が、革、毛皮、皮革製品(毛皮製品を含む。以下同じ)及びこれらの半製品の製造であって、かつ、輸出する原材料が皮革(原毛皮及び毛皮を含む)及び皮革製品の半製品であるもの |
適用除外品目 | ・関税暫定措置法第8条第1項に基づく関税暫定措置法施行令第22条に定める税関長の確認を受ける場合、承認を必要としない ・契約の総価格が百万円以下の場合、承認を必要としない(輸出申告一件あたりの価格ではありません)※ ※注1:無償の場合でも評価額が百万円を超える場合は輸出承認が必要となります ※注2:価格が百万円を超過しない原材料を何回かに分けて輸出するようなケースであっても、輸出原材料の価格の総額が百万円を超過すると見込まれるときには、輸出承認が必要となります ※注3:契約の総価格が百万円以下の場合であっても、ワシントン条約対象貨物の輸出については別途輸出承認が必要となります |
委託加工貿易契約概要
外国にある者に外国での加工を委託し、かつ、製品を本邦に輸入する契約に基づき原材料を輸出するものが対象です。
•注1:上記の要件を満たすものは、加工原材料の輸出及び製品の輸入を有償で行っても委託加工貿易契約の対象となります。
•注2:加工原材料の一部を受託者が供給した場合の代金は、加工賃の一部として取り扱います。
適用地域
適用地域は、全地域です。
委託加工承認申請の要否の判断基準
(1)日本から輸出される指定原材料(皮革)の総価格が輸入貨物代金の50%未満であっても、輸出貨物が、輸入する貨物の主体を構成すると認められる場合は、承認申請が必要です。
主体を構成するとした例 | ・野球のボール ・車のハンドル ・サッカーシューズ |
主体を構成しないと判断した例 | ・ズボンの装飾品(ポケットやアクセサリー) ・ジャケットの肘当て ・ジャケットの襟 ・バッグの取っ手 ・財布、カードケース(主に布製で縁に皮革を使用) ・手袋の一部 |
(2)委託加工契約に係る契約額が100万円以下のものについては承認申請が不要です。
(輸出申告一件あたりではなく、契約金額に基づきます)※
※同一契約の中に承認申請が不要な暫8(関税暫定措置法第8条第1項に基づく関税暫定措置法施行令第22条に定める税関長の確認
を受けているもの)と暫8以外のものがある場合は、暫8適用部分を除いた皮革総額と輸入総額で(1)のように承認申請の要否を判断
します。
輸出承認申請書類
輸出承認申請の際に提出する書類は、下記のとおりです。
◎ワシントン条約対象貨物以外の革、毛皮、皮革製品の委託加工
- 委託加工貿易契約による輸出承認申請書
- 申請理由書
- 委託加工貿易に係る契約書
◎ワシントン条約対象貨物の革、毛皮、皮革製品の委託加工
- 委託加工貿易契約による輸出承認申請書
- 申請理由書
- 委託加工貿易に係る契約書
- 絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約に基づく日本国輸出許可申請書
- 輸出承認申請説明書
- 通関済み輸入通関申告書
- 輸入した際に相手国政府当局が発行した輸出を認めた旨の書面(輸出許可書)
- 販売又は譲渡された貨物にあっては販売証明書又は譲渡証明書
- その他必要であるとして提出を求められた書類等