特別一般包括許可とは、包括許可の1つであって、特別一般包括輸出・役務(使用に係るプログラム)取引許可及び特別一般包括役務取引許可に分かれます。
一般包括許可とは、申請できる方や申請書類等の点において異なりますが、継続的な輸出が見込まれる方であれば、個別の輸出許可を取得するより手間がかからないというメリットは同じです。
1.特別一般包括許可の申請者
特別一般包括許可の申請を行うことができる方は、次のいずれにも該当する方です。
ただし、外為法等遵守事項中「7 子会社及び関連会社の指導」の実施状況については、特別一般包括許可を行う場合における評価対象としません。
(2)外為法等遵守事項の実施状況について、安全保障貿易検査官室による実地の調査(立入検査を含む。以下同じ。)を受けている方(実地の調査に基づく書面による指導を受けた方は、これに従わなければなりません。)
(3)輸出管理内部規程(安全保障貿易検査官室から輸出管理内部規程受理票の交付を受けている方に限ります。)に基づき社内審査を実施した上で貨物の輸出又は技術の提供を行ったことがある方。
※(2)、(3)の要件を満たす方から、分社化等によりこれらを事実上承継している方による申請のときは、原則として、(2)、(3)の要件を満たす方とします。
なお、特別一般包括許可申請明細書に実地の調査を受けていること及び貨物の輸出等に係る輸出管理内部規程に基づく社内審査体制を事実上承継している旨を記載する必要があります。
(4)申請に先立ち、その役員又は正規職員が輸出管理に係る適格な説明会(以下「適格説明会」という。)を受講している方(天災その他やむを得ない事情がある方を除く。)
2.特別一般包括許可の要件
(1)特別一般包括輸出・役務(使用に係るプログラム)取引許可
申請者が、以下の①若しくは②のいずれか又は両方の行為を行おうとする場合に、一括して許可を行ってもその輸出又は取引が国際的な平和及び安全の維持を妨げることとならないと認められるときに、特別一般包括輸出・役務(使用に係るプログラム)取引許可が出ます。
① 特定の地域を仕向地として輸出令別表第1の2から15までの項の中欄に掲げる特定の貨物の輸出を行おうとする場合
② 特定国において外為令別表の2から15までの項の中欄に掲げる特定の技術を提供することを目的とする取引を行おうとする場合又は特定国の非居住者に特定の技術を提供することを目的とする取引を行おうとする場合
(2)特別一般包括役務取引許可
申請者が、特定国において外為令別表の2から15までの項の中欄に掲げる特定の技術を提供することを目的とする取引を行おうとする場合又は特定国の非居住者に特定の技術を提供することを目的とする取引を行おうとする場合に、一括して許可を行ってもその取引が国際的な平和及び安全の維持を妨げることとならないと認められるときに、特別一般包括役務取引許可が出ます。
3.特別一般包括許可の範囲
(1)特別一般包括輸出・役務(使用に係るプログラム)取引許可
特別一般包括輸出・役務(使用に係るプログラム)取引許可の範囲は次の①から③までのいずれかに該当する輸出又は役務取引です。ただし、輸出令別表第3の2又は同表第4に掲げる地域を経由又は仕向地とする場合は、特別一般包括輸出・役務(使用に係るプログラム)取引許可は適用できません。なお、特別一般包括輸出・役務(使用に係るプログラム)取引許可が認められる取引に関する法第25条第3項第一号に掲げる行為については、外為令第17条第2項の規定に基づく許可を要しません。
② 輸出令別表第1の2から15までの項の中欄に掲げる貨物の輸出のうち、外国から輸入された貨物を返送するために行われる輸出であって、次のいずれかに該当するもの(以下単に「返送に係る輸出」という。)。
イ 本邦から輸出された貨物の評価、検査、修理又は交換のために輸入された貨物(本邦から輸出された貨物が組み込まれた他の貨物を含む。)の輸出(当初の輸出時から当該貨物の性能、特性等が向上しない場合に限ります。)
ロ 本邦に輸入された貨物の種類、品質(故障を含む。)、数量等が契約の内容と相違する等輸入者の予期しなかったものであるために行われる返送のための輸出(輸入時から当該貨物の性能、特性等が向上しない場合に限ります。)
ハ 当該貨物の分析、評価等のために無償で一時的に本邦に持ち込まれた貨物の返送のために無償で行われる輸出であって、その輸入の許可の日から一年以内に行われるもの(輸入時から当該貨物の性能、特性等が向上しない場合に限ります。)
なお、返送に係る輸出に該当する輸出であって、輸出令別表第1の2から15までの項の中欄に掲げる貨物であるか16の項の中欄に掲げる貨物であるか必ずしも明らかでないものの輸出についても、別表3左欄の条件を履行する限りにおいて、返送に係る輸出と同様の取扱をもって輸出申告を行うことができるものとされます。
③ 別表Bにおいて「特別一般」と表記された欄にあたる技術(使用に係るプログラムに限る(ソースコードが提供されるものを除く。)。)及びその提供地の組合せとなる取引。ただし、提供地となる特定国と取引の相手方(契約の相手方のほか、当該取引において明らかとなっている限度において当該技術を利用する者を含む。)が属する特定国が異なる場合は、いずれの特定国についても「特別一般」と表記されていることを要します。
(2)特別一般包括役務取引許可
特別一般包括役務取引許可の範囲は次の①又は②のいずれかに該当する取引です。なお、特別一般包括役務取引許可が認められる取引に関する法第25条第3項第一号に掲げる行為については、外為令第17条第2項の規定に基づく許可を要しません。
② 外為令別表の2から15までの項の中欄に掲げる技術を輸出令別表第3の2及び同表第4に掲げる地域以外の外国において提供する取引又は当該外国の非居住者に提供する取引のうち、外国から提供された、又は外国の非居住者から提供された技術(以下単に「外国から提供された技術」という。)を返送するために行われる技術の提供であって次のいずれかに該当するもの(以下単に「返送に係る技術の提供」という。)
イ 返送に係る輸出に際して行われる、輸出される貨物に内蔵又は付随する技術データの提供(当該技術の性能、特性等が向上しない場合に限る。)
ロ 本邦から提供された技術であって、評価、検査、修正又は交換等のために返送された技術の再提供(当初の提供時から当該技術の性能、特性等の変更がないか又は軽微な変更に留まる場合に限ります。)
ハ 外国から提供された技術の種類、品質(故障を含む。)、数量等が契約の内容と相違する等技術の提供を受けた者の予期しなかったものであるために行われる返送のための技術の提供(提供を受けた時から当該技術の性能、特性等が向上しない場合に限ります。)
ニ 当該技術の分析、評価等のために無償で一時的に外国から提供された技術の返送のために無償で行われる技術の提供であって、提供を受けた日から一年以内に行われるもの(提供を受けた時から当該技術の性能、特性等の変更がないか又は軽微な変更に留まる場合に限ります。)
なお、返送に係る技術の提供に該当する技術の提供であって、外為令別表の2から15までの項の中欄に掲げる技術であるか16の項の中欄に掲げる技術であるか必ずしも明らかでないものの提供についても、別表4左欄の条件を履行する限りにおいて、返送に係る技術の提供と同様の取扱を行うことができるものとされます。
4.特別一般包括許可の有効期限
特定包括許可の有効期限は、その許可が有効となる日から起算して3年を超えない範囲内において経済産業大臣が定める日までです。
もっとも、変更の申請である場合は、変更前の許可の有効期限までの範囲において経済産業大臣の定める日までとなっています。
5.特別一般包括許可の申請手続き書類
特別一般包括許可の申請手続きに必要な書類については、下記をご参照ください。
- 許可申請書
- 特別一般包括許可申請明細書
- チェックリスト受理票の写し
※申請前13月の間に発行されたものに限ります。
- 適格説明会受講実績